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羊達の見た夢

3月某日。

「山村体験ツアー」へ参加する為セラルカを訪れた「悪クマー(* ̄(エ) ̄*)商会」一行。
朝から農作業・山遊び・川遊びなどファンブルグでは出来ない体験に大はしゃぎ。
日が暮れて村へ戻る頃にはみんなヘトヘトだった。


ツアー中お世話になる村長宅では村長の娘のステラさんが夕食の準備をして待っていた。
質素ながらも地味豊かな料理の数々を奪い合う様に平らげると急に眠気が襲ってきた。
1日中慣れない事をして疲れているのだから当然と言えば当然の話だが・・・。


食後、食卓を囲んで談笑。
今日の出来事や最近あった面白い事、話すことは尽きないが次第にまぶたが言うことを聞かなくなって来る。
周りを見渡すと皆同じ様な状況だった。



「ふふふ・・・皆さんお疲れの様ですね。今夜はぐっすり眠れますわよ」



そういってステラさんはホットミルクの入ったマグカップと小さな袋を手渡してくれた。
袋には可愛らしい羊の刺繍が施されてあった。



「これは『羊飼いのお守り』と言ってね、持っていると良い夢が見られるのよ」



暖かいミルクを一口すするとほんのり甘い香り。
ミルクの香りってどうしてこんなに眠気を誘うのだろう。

パチパチと爆ぜる薪の音、室内を柔らかく包む暖炉の明かり、程よい脱力感が心地いい。
しばし静寂を楽しむ様に目を閉じる。
このまま眠れたらさぞかし幸せだろう。



ふと目を開くと1冊の本が目に留まる。



『眠り羊と夢の世界(エレリック=ラビッツ著)』

睡眠中に見る夢は個人のものであるが…深い深い眠りの底には
生きとし生けるものが夢を共有する精神世界が広がっている
眠り羊たちの闊歩する夢の世界、である




なにやら哲学的な内容の様だが半分寝ぼけた頭ではよく理解出来なかった。
村長の話では、ここセラルカは「眠り」の研究が盛んでこの本の著者もセラルカ出身らしい。

他にも「眠り」に関する話をしてくれたのだがいよいよ睡魔に打ち勝てなくなってくる。
村長の声を子守唄に意識は闇の底へと落ちていった・・・・・・。





「おやすみなさい羊達・・・・・・良い夢が見られますように」













ふと感じた気配に目を覚ます。
冒険者などというものをやっているとイヤでも気配には敏感になるのである。
皆も気配を感じた様で目を覚ましていた。
敵意や殺気といったものではなさそうだが誰かがこちらを見ている気がする。


辺りを見渡すと地下への階段からオレンジ色のねずみの様な生き物がじーっとこちらを見ていた。









「にょー」と鳴くそれは一見ノッカーの様だったが本人曰く『電気兎』らしい。
どうみてもネズミにしか見えないのだが・・・・・・。


この『電気兎』は夢の世界の住人で、ここは深い深い眠りの底にある精神世界なのだそうだ。
ストレス社会に生きる現代人は、滅多にここにたどり着けないとのこと。


久しぶりの来客に大喜びの電気兎。
その人懐っこさとシライさんに匹敵する愛らしさに一気に打ち解ける一行。
まるで昔からの友人の様に語り合った。



「そうそう、今夜は『りんご売りのお姉さん』が来るんだにょ!楽しみだにょ~♪」



定期的にりんご売りのお姉さんがやってくるそうで、電気兎はいつも楽しみにしているのだという。
その喜ぶ姿の可愛さに一行はお姉さん探しを手伝うことにした。





外へ出ると辺りは暗闇に包まれていた。
街灯もなく、民家から漏れる光が時折見えるだけ。
空を見上げると満点の星空。
都会では決して見ることが出来ない・・・・・・これが本当の『夜』なのだ。


月明かりを頼りにりんご売りを探す。
村はずれの森の中、木々に同化するようにひっそりと佇む一人の女性がいた。

漆黒のドレスにシルクハット・・・とてもりんご売りには見えないが、この女性がりんご売りのお姉さんなのだそうだ。









「ん?りんごが欲しいの?そうね・・・・・・じゃぁお代の代わりにこの子に名前を考えてもらおうかな」



そう言ってりんご売りは1匹のモンスターを指差した。









「とらまた」「手」「まどはんど」「父ちゃん」「グローブ」「深づめ」「阪神」など明らかにネタ方面へ走った名前が飛び交う中、りんご売りが選んだ名前は・・・・・・














「おいでやす」だった。
無事名前の決まった「おいでやす」は今後本気ペットとして育成予定だそうだ。
本気ペットがそんな名前でいいのだろうか・・・と思わなくもなかったがつっこむ者はいなかった。

約束通りりんごを貰い一行はりんご売りの元を後にした。





「りんごいっぱいで嬉しいにょ!楽しいにょ!美味しくいただく前に並べて眺めて楽しむにょ~」



両手一杯にりんごを抱えた電気兎が唐突にそう言い出した。
どうやらりんごを地面に並べて「りんごアート」を作ろうという事らしい。

簡単に「りんごの形」を作ろうという事になったのだが・・・・・・









インスピレーションがとんでもない方向へ向かって行き、もはや絵でもなんでもない物が出来上がっていた。


電気兎がつけたタイトルは「無秩序」


的を得た表現に皆納得せざるを得なかった。





出来上がった絵(?)をバックに記念撮影をする。









見事な無秩序っぷりだったのは言うまでもないだろう。





楽しい時間が過ぎるのは早いもので。
そろそろ目覚めの準備をしなければいけない時間が来た事を電気兎が告げた。
長時間この世界に留まると現実世界への帰還が難しくなるらしい。

目覚めに有効な『目覚めの薬』というものがあるのだが、調合の為の材料が足りないそうだ。



「セラルカの森にいる珍獣を倒して『ルーンキューブ』を4つ集めてきて欲しいにょ。調合準備して村長さん宅で待ってるにょ~」





セラルカの森は野生動物の他に凶暴なモンスターも多く生息している危険な森だ。
現実世界へ帰る為、戦闘に長けた人もそうでない人も皆力を合わせて戦った。











無事ルーンキューブを4つ手に入れ村長宅へ戻ると、電気兎が机の前でウンウン唸っていた。









何かの締め切りに追われて缶詰状態だったらしい。
幸い締め切りには間に合った様だ。

ルーンキューブを受け取ると電気兎は早速薬の調合を始めた。



「ムールキラーのアレに、ルーンキューブのエネルギーを注入して、と・・・目覚め薬『お目覚めポックリン』の完成にょ☆」



ピンク色のどろっとした液体が並々と注がれたコップを受け取る。
これは・・・・・・飲んでも大丈夫なのだろうか。



「ちょっぴりピリッとするけど、心配いらないにょ~、一気に飲み干せばピリっとお目覚めにょん」



少しおどけてそう言った電気兎の背中が寂しそうに見えた。

出来ることならこのまま、この幸せな時間が続いて欲しい・・・・・・誰もがそう願った。
でもこの世界に留まることは出来ない。



「寂しくなんか…ないにょ…、寂しくなんかないにょ!また、遊びにきて欲しいにょ…ん」



ぐいっと乱暴に拳で顔をこすると、精一杯の笑顔で電気兎はそう言った。





時間ギリギリまで別れを惜しみ・・・・・・そしてその時がやってきた。



「皆様お飲み物の方はよろしいでしょうか?」



飲むのに勇気がいる・・・と言うことで合図で一斉に飲むことにしたのだが、宴会でも始まりそうなノリだ。



「みなさんの楽しい時間に乾杯にょー」



『かんぱーい!』



合図と同時に薬を一気に飲み干す。
どろっとした感覚がノドを通過し・・・・・・全身に雷が落ちたかの様な衝撃が走った。









ちょっぴりぴりっとするどころの話ではない。
体が痺れ、目がグルグルと回り始める。



本当に目覚めるのだろうか・・・・・・



一抹の不安を抱きながら意識は闇の底へと落ちていった・・・・・・。










ちゅん・・・・・・ちゅちゅちゅん



鳥の鳴き声で目を覚ます。
随分長い夢を見ていた気がする。











「あら?おはよう。昨夜はぐっすり眠れたかしら?お隣さんからりんごをたくさん頂いてね。りんごのパン・ド・ジェーヌを焼いてみたのよ」



奥から大きなお皿を抱えたステラさんがやってきた。



「そうそう、あなたたちにお届けものよ。何かしらね」



そういってステラさんは1通の封書を差し出した。
心当たりの無い『お届けもの』の封をおそるおそる開けてみると、中には1枚の写真と手紙が入っていた。









はっとお互い顔を見合わせる。
あれは夢の中の出来事ではなかったのか?





親愛なる眠り羊ご一行様へ

昨夜は大変楽しい時間をありがとうございました
今朝の目覚めはいかがでしょうか?りんごの香りで目覚める朝も悪くないにょ
ふむふむ。夢で見た夢?
正確には、夢から覚めた夢…といったところでしょうか
あなた方は長い長い夢を見続けているのですよ?

山村体験ツアーの始まりからですって?
いえいえ。これは寝ては覚め、覚めては眠る悠久の旅

親愛なる眠り羊さま。いつの日かこの夢の世界も本当の終わりが来ることでしょう
その日が来るまで、この世界で肩を並べて共に歩まんことを切望しております
夢の世界で楽しい時間の共有と創造を
またお逢いできる日を楽しみにお待ち申し上げております

~エレリック・ラビッツ~






漂う焼きたてのりんご菓子の甘酸っぱい香りに、あの人懐っこい電気兎の顔が浮かんだ。




























と言うわけで、3月29日に行われたわるくまギルドイベント「眠り羊は電気兎の夢を見る」のレポートでございました。
どう見ても纏めるのに時間かかり過ぎですzzz

今回もパーサイを使ったクエスト形式のイベントで、ストーリー・キャラクターともに思いっきり私好みでした♪(パーサイについてはこちら

ちょっぴり趣を変えて小説風のレポートにしてみましたが(私好みのお話だったんで小説風に書いてみたくなったんデス)、やはりきちっとした文章を書くのは難しいですね。

原作はこんなもんじゃなく、簡潔で素敵な文章ですよ!
改めてモンさんの文章表現力に感服です!


企画進行のモンさん&参加者の皆様お疲れ様でした♪



※文中、原作の引用、アレンジを少々加えてあります



コメント

いや~、あの時の情景が完全再現される記事です!
本当、一冊の絵本になりそうな話でしたよねぇ♪

小説風レポ、いいじゃないですか!
今度はネタ記事も小説風でごにょりん・・・
もしくはシリアス編とかもアリかと?!

>BANX様

絵本の世界に迷い込んだ様なイベントでしたね~
ホントモンさんは演出が上手ですよね!

小説なんて随分久しぶりに書いたもので改めて自分の表現力の無さを痛感しましたzzz
ネタ記事も小説風にって・・・・・・それこそ私の表現力じゃ無理です(笑)

余談ですが「所長アタック」のSSがセリフとダメージが重なって「ただのMISSきゅzzz」に見えて爆笑しました(失礼)

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ありがとうコンチェ!ピヨ
僕の事も忘れないでピヨ!


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プロフィール

アルカネット

Author:アルカネット
職業:クレリック

隙あらば地面や物にめり込もうとする
かなり変な人。
ネタとプリンとヒヨコの人ラブ。
常に楽しくがモットー。


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本館。(メリコミ観光・イラスト)
 2011/06/02 「めり工房」更新

別館倉庫。(Flash・音声創作物)
 2010/12/24 「ArrangeGate」追加

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【パーソナリティ】
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